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『ゴースト・イン・京都』

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『ゴースト・イン・京都』(ケヴィン・コナー監督/1982年/アメリカ)

ハロウィンなので。私はVHS版で見たが、海外ではBlu-rayでリイシューされている。

この映画を初めて観たのは、上京してすぐの'19年8月、池袋の新文芸坐で開催された「カナザワ映画祭 in 新文芸坐 ~大怪談大会~」だった。関西から出てきたばかりで映画のこともあまり詳しくない自分にとって、とにかく衝撃的な作品で「これが自分の求めていた映画だ!」と思ってしまった。

とにかく怖くない。驚かそうとするシーンもあるが、蟹が大量発生するくらいが関の山。あと幽霊がコミカルすぎる。でも、登場人物はみんなシリアスに演じている。そして最後の10分、突然カンフーシーンになったかと思いきや首チョンパ!しかも、首チョンパでドヤってるポーズを2回も映し出す。流石に吹いちゃう。あとベッドシーンが長い。

この映画は「あくまでシリアスにやっている」というのが大事なポイントだ。例えばセイントフォーを初めて観たときにショッキングだったのは、大真面目に4人がとてつもないアクロバットを繰り広げていたからだ。まっすぐな瞳は一点の曇りもなく、レオタード姿で真剣にアクロバットを繰り出す。よくよく聴いていると歌詞も変だったりする。でも、これを「おもろいことやっちゃってます〜」でやっちゃダメなのだ。そして『ゴースト・イン・京都』が怪作・珍作たるのはこの“真剣さ”があるからだと思う。

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話が飛んでしまったが、『ゴースト・イン・京都』が自分の人生において10本の指に入るくらい好きな映画だと伝えたかった。VHS版の裏ジャケには「おいでやすSAMURAIホラー・ムービー村へ ・・・ほんま怖いどすえ」という、何一つ真剣さを感じられない惹句が書かれている。